BardとチャットGPTの話
知らない人の方が多いと思いつつ、僕も知らなかったので調べて見た。
GPTとは、Generative Pre-trained Tranformerの略称。
翻訳すると、
※バードを使用
生成的事前トレーニング済み変換器
なのだそうな。事前訓練とか事前学習済とかでもいいと思う。僕が勝手にニュアンスを汲むとするなら、
予めいろいろ勉強している生産性の高い翻訳変換器
と言う感じ?いろんなパターンを学習していくことで、多岐に渡る質問に、より柔軟かつ人間っぽく答えることが出来るようなアルゴリズム。一方バードは「LLM(Large Language Model)」「大規模言語モデル」と称し、微妙にニュアンスが違う。
「変換器」と「モデル」は、字面からも全く別物に見えるし、最終的に何をさせられるのか、出来そうなのかも違って見える。バードは「より高度な会話が出来るAI」を目指してるようなニュアンスを感じ(個人的に)、GPTは「より多くの要望に応えられるAI」を感じた。
ソースは、バードはGoogleの検索データを使っている分、最新のものまで「カバーしうる」バックボーンがあるけど、GPTは現時点(2023.7.10)では、2021年の情報までしか把握出来ていない。ただ、
言うほどバードも賢くはないし、そこまで情報を把握しきれてもいない。
僕が現時点で感じているGPTの最大の特徴は、
無料だと時間帯によって全く機能しない
と言う事。機能しないとはどういう事かというと、例えば返答が「ハリソン・フォードはアメリカの俳優です」だった時に、
「ハ
「ア
「す
みたいな表示になったりする。月額20ドルの有料会員登録をすると、この辺りは改善され、さらに高度で精度の高い返答が期待出来るらしいが、一方で、
答えるまでの時間が、無料で9秒だったのが有料にしたことで58秒掛かるようになることもあるらしい。
精度を上げるのに「熟考する」というところか。
以前「チャットGPTはクソだ」と書いた。その気持ちは現時点でもあまり変わってはいないが、その時使っていたのは「チャットGPTっぽいアルゴリズムを使った別のアプリ」であったことをお詫びしておく。ごめんなさい。
それでも感想が変わらないのは、前述のように役立たずの返答を返してきたり、
全く返答に満足出来ないことも少なくないからだ。
ただ、これはバードにも少なからず言える。と言うか、現時点でどちらのAIにも言えることとして、
「正確ではありません(キッパリ)」と明言していることだ。
つまり、どちらも結構なレベルで「誤答」する。質問内容にも寄るだろうが、例えばバードで僕の体感、僕の質問で言えば、
正答率は70%くらい
と言って良い。正直あてに出来るレベルとは言い難い。ただ、チャットGPTが正答率が高いかというと、そっちも違う。
「ハリソン・フォードについて詳しく教えて」
と言う質問を、それぞれのAIに投げかけた際、バードはウィキペを見たかのような内容だったのに対し、チャットGPTは、
「誰それ?」
レベルの返答しか返ってこなかった。「2021年まで」と釘を刺すにしても、ハリソンを知らない理由にはならない。逆に、
「カワイイ女の子の口調で答えて」
と言う質問には、チャットGPTは語尾に「♪」を付けたのに対し、バードは「性的な返答はできない」的な突っぱね方をしてきた。
※うろ覚えなので額面通りに取らないように
使い方としては、どちらもGoogleのアカウントで登録して使うことが可能で、チャットGPTにはi_Phone版も出ている。
※アンドロイド版は、明言されてないものの、リリースの予定はある
バードはアプリ版はどちらにも出ていない。
なので、アンドロイドの僕はスマホのPC版を使ったわけだけど、
チャットGPTのサイトが検索で「出てきにくくなってる」気がする。
「バード」で検索すると一番上に「このバード」が出るのとは対照的であり、
Googleの思惑を感じずには居られない。
「Googleの思惑」とは、チャットGPTの制作会社であるOpenAIに対する危機感と、ライバル意識だ。
バードのウィキペを読んだら、これが相当面白かった。
※それをバードにかいつまんで教えて、と言ったら、全く僕の期待した答えが返ってこなかったのはご愛敬だが
バードとはつまり、ぶっちゃけて言っちゃうと、
チャットGPTの対抗策だ。
「そんなの当たり前じゃん」と思うかも知れないが、例えば、ファミコンとプレステや、任天堂とセガのような「対抗機」の話とは全く意味が違う。
バードは、チャットGPTにGoogleの利益を脅かされそうだから、と「それを見て作られた物」だからだ。
完全に後発であり、ある面では模倣でもある。一緒に同じ分野で競い合っていたわけでも何でもない。
マックを見てWindowsを作ったマイクロソフトのような関係と言っても良い。
もっともその時のマイクロソフトは、今のGoogleのような力は全く無かったけど。
ウィキペにも書いてあるけど、つまりGoogleの利益は検索によって得られている。しかし、GPTによって「検索しなくても答えてくれるAI」が幅を利かせると、「検索されなくなる」危険があると言うわけなのだ。
ちょっと狭量という気もしないでもないし、危機意識が高いとも言える。ただちょっと面白いと思ったのは、チャットGPTへの興味が、この数ヶ月急激に下がってきている点。
それがバードの影響なのか、チャットGPTによる「負の側面」が取りざたされたからなのか、僕のように無料版がまともに動かなくて「だったら使わねぇ」とジャッジされたのかはわからないが、
Google側からしたら「間違いなく好機」だろう。
以前Yhaooで検索していた人は、今Googleで検索している。以前はネットスケープがかなりのシェアを誇っていたのに、インターネットエクスプローラ(現エッジ)に取って代わられた。
チャットGPTが切り拓いた「AI市場」を、Googleバードが「かっさらう」未来も、十二分に考えられる。
現に僕は「バードは結構使ってる」けど、「チャットGPTはほとんど使ってない」からだ。なぜなら、
※バードの方が見つけやすいこともあるけど
バードの方が速く、チャットGPTは「答えてくれないことがあった」からだ。
これが凄くデカい。たとえそれが一度であっても、「空振り」というのは凄く印象が悪い。行けば必ずあると言う確信があってその店を訪れたのに、「売り切れ」と言われるショックは誰しも経験があると思う。ましてやその隣に「在庫切れ無し」「スピード配送」「信頼のGoogleブランド」の新店舗がオープンである。
客足が一気にそっちへ移るのもあり得る話だ。
ただ、最初の方にも書いたように、
必ずしもバードの返答が素晴らしいわけではない。
分野次第、質問次第で、チャットGPTの方が「しっくり来る」「求める答えに近い」場合は多いだろう。重要なのは、適材適所であり、自分に合ったのはどっちなのかという話。
僕はそれまでチャットGPTを使ってなかったわけだから、今からバードを使い始めたとてGPT側にマイナスはない。がしかし、それまでチャットGPTを使っていても、バードに切り替えるユーザーも少なからず居そうでもある。
「ナンバー2じゃダメなんですか?」
たぶんダメなのだ。
特にネットのサービス、実際のリアルガジェットを伴わない「情報」という価値においては。
触ることも見ることも出来ない、ましてや映像も音声もないテキストという、究極にシンプルなデータでの勝負。
僕が元々チャットGPTに否定的だったこともあるけど、
バードが覇権を取る気がするんだよな。
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