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2023年9月22日 (金)

便利屋斉藤さん、異世界へ行く

UNEXTで勧められていたので、何となく見始める。よくありすぎるくらいある異世界転生物。主人公は「鍵開け」「探し物」「簡単な料理」などが出来る便利屋で、そのスキルを活かして、剣と魔法の世界でもそれなりに大活躍。

全12話は既に投下済み。終わりも割とキレイに終わるので、見るなら見てもいい感じ。クリス評価は★★☆。結構イイけど、合格点まで一歩届かない感じ。

書くことがほとんど無いような本作なのだけど、個別に取り上げたのは理由がある。それは、本作の監修が、

 枡田省治

であり、監督が、

 窪岡俊之

であったこと。

知らない人には「誰それ?」って感じだろうけど、知ってる人には結構な衝撃だった。

まず枡田省治が何者か。てか、

 氏のウィキペディアを見ても、本作には一切触れられていない。と言うか、アニメに携わった痕跡が見られない。

氏は、ゲームの人なのだ。

代表作は天外魔境II。オレの屍を超えてゆけ、リンダキューブなど、コアなファンに訴求する作品をいくつもデザインしていて、
※天外魔境IIではディレクターとシナリオ担当という、ゲームの根幹を担っている。「ゲームの顔」としては、広井王子氏が前面に出ていたけど、ぶっちゃけ枡田氏の作品と言って良い

普通の人のバランス感覚を持ちつつも、ちょっとイレギュラーな、鮮度のあるスパイスをキッチリ入れられると言うイメージ。ただ、手放しで褒められるかというと実はそうでもなく、「俺の竜を見よ」や、「暴れん坊プリンセス」など、枡田氏の名前に釣られて買ってはみたけど、

 存外楽しめなかった作品も少なくない。

本作では「監修」という何をやってるかわからないような役割ではあるものの、見ていて節々に「枡田節」を感じてしまった。タイトルを少し動かすところとか、テンポ良くショートエピソードを回す感じ、キャラの立て方等々、

 僕がひとり勝手に思い込んでるのかも知れないけど、

 スゲェ枡田さんぽい。

ただ、枡田さんは大きな欠点として、

 萌えの人じゃない。

ヒロインの立て方にクセがあって、何とも言えずエロくないし、かわいさのツボが少しズレてると思う。見ていて、「ここでもう一歩踏み込んで欲しい!」という所で、クッと下がってしまうような、

 物語を終わらせないようなさじ加減をすぐしてしまう人

あくまで僕の感想で、枡田さんの領域だった可能性はむしろ低いです。

ただ、かなり初期の頃から氏の名前と仕事をチェックしていた人間としては、本作から「氏のニオイ」を凄く感じたのは紛れもない事実で、ある意味「氏のファンなら」かなり楽しめる作品になっているとも思います。

てかなんで「ですます調」になってるんだか。

一方窪岡俊之氏に関しては、枡田氏より遙かにメジャー。一番有名なのは、ガイナックス関連で作画監督や原画をやられていたこと。

 ジャイアントロボ・ジ・アニメーションのキャラクターデザイナー

であり、

 アイドルマスターのキャラデザイナー

ある意味僕の中では、「貞本義之氏」とキャラデザインを二分する「ガイナックスの顔」ってくらい。

 その人、つまり「絵の人」がなぜ監督!?

そんな疑問も凄く抱きつつ、結果ほぼ飛ばすこともなく全話一気見してしまった。つってもまぁ先日のサマータイムレンダと比べたら半分未満の話数なので、

 一瞬だけどさ。

キャラデザインは全然知らない人で、アニメーションスタジオも見知ったところではない。作画が飛び抜けていいと言うこともなく、かといって破綻して崩壊してるわけでもない。

序盤でメインからサブのパーティをガッツリ紹介し、中盤でみんなで力を合わせて強敵と戦い、最後はパーティメンバーの掘り下げと綺麗な終わりへまとめる感じ。

 それもまたゲームっぽいと思ったのは僕だけ?

てか、異世界物は多かれ少なかれゲームっぽさを内包しているものだけど、

 本作はそれがさらに顕著。

と言うか、とにかく「枡田臭」が強くて、天外魔境IIにも言えるけど、

 全ての登場人物がステロタイプ。

ただ、それがいわゆるハーレム物の萌えアニメではなく、ファンタジーRPGのようなキャラ立てで、安心出来る反面面白みがない。ゲームでは個性的なシステムを載せてきた氏だけど、単方向のメディアだと、強い既視感だけが目立ってしまった感じ。

何度も言うけど、これは僕の偏見に満ちた感想。枡田省治という男への良くも悪くも強い信頼が言わせている。

ちなみに、物語は完全なハッピーエンドなので、それを懸念してる人がもし居たら気にしなくて大丈夫。と言うか、

 見てる間中「何が起きても最後はハッピーエンドにまとめる臭」が凄くするので、あんまヒヤヒヤもピリピリもしない。

念のため言うけど、決してつまらないアニメではない。ただ、凄く普通で、枡田省治を知る自分には、氏のニオイがめちゃ感じられまくったという話だ。

てか枡田作品としては珍しく高山みなみ出てこなかったな。

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