すぐに食べろ

テレビを見ていてイライラするとか、頭が悪い人みたいなのだけど、それでもイライラしてしまうのはしょうがない。と言うか、これは僕が悪いとは思わないのだけど、

　料理をしてくれた人に対する最低限の礼儀ってもんがあるだろう。

「いただきます」「ごちそうさまでした」。当たり前の挨拶。おはようやおやすみ、さよならやこんにちはと同じ。ここに常識・非常識と言う言葉を用いる気もない。

料理、、飲み物でもそうだけど、「一番美味しいタイミングで食べた方がいいもの」と、「いつ食べてもそこそこなもの」は絶対ある。時間の変動によって良し悪しがあまり変わらないものとしては、缶ジュースとかお菓子とか。大きく変わるのは生魚や、スパゲッティ。あと餃子とかもかな。

テレビで「それは今すぐ食えよ！」と言いたくなるような食べ物に対して、お約束なのか知らないが、ウダウダとくっちゃべってるのを見ると、スゲェイライラする。

　オマエにそれを食う資格はねぇ！

と言いたくなることも。もちろん安くて早いチェーン店の、流れ作業で作られるようなファーストフードとかだとその度合いは落ちるけど、ちゃんとこだわり持って作ってて、地元の支持も厚いような店に行って、

　料理が来てから食べるまでが長いと、「オマエ、それ不味いとか言ったらオマエのせいだからな！」って思う。

その一瞬一瞬にピークがあるんだから。「出来たて」ってキーワードが、「空腹」と同じくらい重要なこともあるんだからな！

こないだバナナマンの番組で、日村が「ああもう食べていっすか！」と、かなり早いタイミングで食べ始めたのは凄く良かった。

　そう言うことだろうよ、と。

美味しい店を聞いて、わざわざそこまで来て、さあ食べよう食べられると言うタイミングは、「今でしょ！」と。

料理をちゃんと美味しく食べることに関しては、以前伊丹十三監督がビストロスマップに出たときを思い出す。
※ここにも書いたことがあったと思うけど

題材はスパゲッティ料理だったのだけど、

　監督は、テーブルではなく、調理場の方まで出向いて、

　「出来たてが一番美味いんだからっ！」

と、「運んでくる時間」をカットして食べはじめた。

　そう言うことだろうよ、と。

美味しい物を作ってくれた人に感謝する。それはつまり、一番美味しい時に食べることだ。

　鉄板焼き、カウンターの寿司、高いお酒、天ぷら、

これらは、どれも「瞬間を楽しむための仕掛け」が為された料理や飲み物だと思う。氷が溶けるスピードに合わせて、最も美味しく飲める量だけ注いで貰う。「ワンフィンガー」とか「ツーフィンガー」とか、リアルで言ったことはないけど、

　スゲェ分かる。
※僕もジュース飲むとき氷の高さまでしか注がないから

鉄板は時間が経ってもしっかり熱くて美味しく食べられる。カウンターの寿司は、瞬間の芸術だろうと思う＜ほぼ経験ないけど、回転寿司でもにぎり立てを食べられる店もあるから。絶対美味しいし。絶対に！

一方違和感があるのは、「景色を眺めながらゆったりと楽しむコーヒー」。

　冷めちゃうだろ常考

アイスなら氷が溶けて薄くなっちゃうだろうし、僕はコーヒーを楽しむ趣味はないけど、
※ほぼ飲まないし
あれだって「時間を掛けて楽しむ嗜好品」じゃないと思う。ずっと熱いままの加熱コップとかで飲むもんでもないだろうし、「香りを楽しむ」とか言って、

　最初に香りを楽しんだらあとは捨ててもいいわけじゃねぇだろうし。

ホントに美味しく飲むなら、ワインみたいに「ビンを傾けることすら御法度」。底の方の沈殿してる「不純物」が混ざらないように細心の注意を払う。だからこそ「プライスレス」な価値が生まれるんじゃないの？ワイン飲まないけど、、、ワインもかよ。

僕はたぶん、「美味しい物」を食べてきた人なんだろうと思う。でも「食べている人」ではない。食べた経験と、食べてない今のギャップに「大きな差」を感じてしまうのだ。美味しく食べられるものは美味しく食べたい。当たり前のことにこだわりたくなるような。

昔熱海で食べた温泉饅頭が忘れられない。まさに出来たてアツアツ。

　饅頭の出来たてはあんなに美味しいものだったのか！

驚いた。その店が特に美味しかったのかも知れないけど、薄皮一枚の上品な柔らかさと、手で持とうにも熱くて悲鳴が出るほどの出来たてだからこその「溶けるような熱と甘み」。

　これが温泉饅頭だ！と言わんばかり。

例えて言うなら、普段の温泉饅頭の美味しさを５とするなら、出来たては、２８００くらい美味しい。愕然とする差、全く別物だった。

たぶん僕が知らないだけで、出来たてだと超美味しい物が他にも絶対あると思う。でも、百歩譲って、

　出来たてじゃなくてもレンジてチンするだけで相当美味しくなるものもある。

コンビニの弁当とかおにぎりとか。当たり前のことを当たり前に言うようだけど、

　美味しく食べたいなら、レンチンくらいするでしょ？

手間と見返りのバランスが「フライパンに」とか「一旦冷凍庫で寝かして」とかになると、「ホントに見合うの？」って思うけど、

　試してないのに言うのは間違ってるんだろうな、とも思ったり。

まぁ美味しい物が食べたいよね。純粋に忖度無く、目をつむって食べたくなるような。周囲にも静かにして欲しいような。

　食べるということだけに集中したくなるような食べ物が食べたいわ。