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2023年10月19日 (木)

羊たちの沈黙/ハンニバル

結構前の映画。ちなみにアンソニー・ホプキンスのイメージが強いシリーズだけど、今のところこれと「レッド・ドラゴン」には出てるけど、若いときの「ハンニバル・ライジング」には出てない。てか、

 昔はどうにも怖いイメージが強くて見れなかったのだけど、

歳を取って、結構平気になったのと、ホプキンスがかなり好きになったので、重い腰を上げる気になった次第。まぁミステリーが見たかったのも大きいけど。

●羊たちの沈黙

あらすじ的には、「人を食う」マッドなドクター、ハンニバル・レクターに、若いFBIの女性隊員が話を聞いて、別にいる連続殺人の犯人を捜す話。

ぶっちゃけ最後まで「なんでこれが羊たちの沈黙なのか」はわからずじまい。なんで?

相当前の映画だし、ネタバレを書いてもいいとは思うけど、ひとまずネタバレ無しで感想を書くなら、

・かなりグロい

・意外とレクターさんが紳士的

怖いと言う感情は、一言で顕せないいくつもの要素で構成されている。まるで自分が追い詰められているような精神的圧迫も怖いだし、エイリアンやジェイソンのような「殺されそう」なのも怖い。いきなり大きな音が鳴るのも怖いの一種だし、血みどろの内臓をぶちまける「グロさ」も怖いの一種だろう。

本作では、ほとんど大きな音が鳴る「こけおどし演出」はなく、特に自分が殺されそうな感じもない。というか真上でも書いたけど、

 レクターさんが食べたり殺したりするのは、基本悪いヤツ。
 ※もちろん例外もある

確かに「人を食う」のは悪いことだとは思う。たぶん法律には書かれてないとは思うけど、やったら怒られることだとも思うのだけど、それ以上に彼の言動や思考は論理的で美しく、見ていて、

 かなり魅力的。

たぶんそこがこの映画が大ヒットした最大の要因だったんじゃないかと思う。てか、主人公クラリス=ジョディ・フォスターだけが話をすることが出来たのは、彼女が魅力的であったこと、彼女が考える正義がレクター先生の正義と近かったこと、そして、「理解出来るひと」だったからだと思った。

 バカに何を言っても理解されないから。

とにかくグロいのは間違いないのだけど、先行していたイメージほどは全然怖くない。怖さの度合いで言えば「ドラゴンタトゥーの女」の方が怖かったと思うくらい。逆に言えば、アレが平気ならこっちも平気だろうと。

 まぁこっちのが古い映画だけど。

気軽にネタバレに入るけど、

 結構気持ちいい、爽快感のある映画でもあった。

絶対逃げられないと思える牢屋から脱獄する流れもスムーズだったし、スゲェ嫌なヤツは大概死ぬ。ホプキンスの行動には不自然なところはなかったと思うし、
※フォスターの方はちょこちょこ違和感あったけど。「近づくな」と言われたのに近づくし、平気でプライベートの話もするし。ただ「若さ故」と考えれば、ギリ許せなくもない

 クリス評価は★★☆ってところ。

ぶっちゃけ合格ラインである6点には届かないけど、見て後悔する感じでもなかった。古さの割りにテンポはまあまあ良かったし、オチも綺麗だったし。

ただ、逆に言えばそれだけとも言える。特に凄いどんでん返しやカタルシスがあったわけでもなく、

 終盤真犯人とのやりとりシーンだけは、引っ張りすぎてスゲェイライラした。

緊張したのではない。単純に「引っ張りすぎ。10秒とばそかな」と思うような演出。言い換えれば、

 そのシーンを除けば、ほとんどイライラもなかったとも言えるけど。

でもクライマックスよりむしろレクター先生とのやりとりの方が強い魅力を放っていたことも事実で、事実続編では、ほぼレクター先生のひとり舞台とも言える展開になった。

●ハンニバル

何が驚いたって、

 見終わって流れてきたスタッフロールで、

 クラリスが、ジョディ・フォスターではなく、ジュリアン・ムーアだったこと!!

見始めた時は、何にも違和感も疑問も感じ無かった。レクター先生がホプキンスから替わっていたらまた違ったのかも知れないけど、とりあえず「こっちが続投してるならあっちもだろ」と考えてしまったから。

ただ、冷静に考えれば、羊たちの沈黙の公開から10年経っているわけで、
※見始めた時はすっかり忘れていた

 レクター先生が全く変わってないのに、クラリスが激変していては話が違ってきてしまう。

要は、「10年経ったジョディフォスターより、ジョディフォスターっぽい女優」として、ジュリアンムーアに白羽の矢が立ったのだな、と。

話的には、前作で脱獄したレクター先生を捕まえるためにいろいろがんばる話。中にはレクター先生の犠牲者でありながら唯一の生存者の大富豪が居たり、クラリスが別件であらぬ責任を問われて実質謹慎処分を食らっていたり。

今回は監督がリドリー・スコット。てか、ここで僕はまた大きな勘違いをしてしまう。

 てっきりダヴィンチコードの監督だったと思い込んでしまった。
※ダヴィンチコードはロン・ハワード監督

ただ、逆に言えばそれほどまでに作風が似ていたというか、印象が近く、前作より「こなれている印象」で、

 ある面では上手いのだけど、ある面ではありがち。

クラリスの立場を悪くすることで、マイナスの溜めを作り、全身不随な大富豪のグロい見た目でこっそり撮れ高を稼ぐ。嫌なヤツを適宜配置しつつ、そいつらを最後までにちゃんと片付ける。

飛ばしたくなるところは無く、終盤露出の多いドレスをクラリスに着せるところとかも、それまでのストレスを払拭させるやり方として「ズルイけど上手い」。

オチも綺麗だったし、なるほどUNEXTで一作目と同じ9点(☆4.5個)というのもわからないでもない。

 クリス評価も★★★。

ただ、それは前作の終盤の引っ張りすぎによるマイナスと、今作のクラリスのドレスによるプラスがあったからの査定で、レクター先生の魅力という点だけで言えば、前作の方が勝っていた気もする。
※今作では実行犯でもあるので、その分彼の知的な魅力が拡散してしまっていた感じ

相変わらずグロさは相当なものなので、そこは覚悟が必要だけど、前作と今作は完全に話が繋がってるし、見て損したとは思わなかったので、

 グロいのが平気な人には、そこそこ勧められるかも

って感じかな。

レッドドラゴンはまだ見てない。なぜなら、ジョディ・フォスターもジュリアン・ムーアも出てないみたいだったから。僕にとってヒロインは重要なのだ。

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