インサイドマン
一日で3作見た映画の最後の一本。主演はデンゼル・ワシントン。助演がジョディ・フォスター、ウィレム・デフォーで、監督は名前だけ知ってるスパイク・リー。他にも見たことがある俳優が結構居た感じ。ただ、
何とも言えない映画だった。
ジャンルとしてはサスペンスアクション、、だと思う。冒頭「半畳」ほどの狭い場所に居る男性が映り、そこから場面は大きくシフト。組織的な銀行強盗で、犯人グループが手際よく事を進めていく。
人質は20人以上。金庫や貸金庫にも侵入し、ふざけた人質
※大声で喚いたり、携帯を出せというのに持ってないとウソを付いたりした連中
はぶん殴ったりもする一方で、
絶妙に人殺しはしないし、心疾患を持ってる人や、子供には優しかったり。
ちなみにこの犯人グループのリーダーが大塚明夫で、お馴染みデンゼルの山路和弘との掛け合いが、
もう最高。
何つか「これぞ声優」という二人。上手いし、かっこいいし、しっくり来る。映画には字幕で見た方が楽しめる作品も少なくないけど、今作に関しては、
吹き替えの方が楽しめると僕は思った。
つまり、キャストも声優も完璧で、シチュエーションも面白い。もちろん脚本も悪くないし、映画の善し悪しを決めるいくつかの要素で、かなり高得点をマークするような、そんな構成なのだけど、、、
一言面白いとは言えない引っかかりがあったり。
何でこんなに「面白く無いんだろう」と思った。いや、決してつまらないわけではない。飽きさせないように工夫されているし、テンポもまんざら悪くない。ネタバレを控えつつストーリーに触れれば、結構いろんな伏線や、「臭わせ」があって、絶妙に興味を維持する、、、。
ズバリ、「タイトルが変」。
決して意味が無いとか、根拠がないわけではない。ただ、この「インサイドマン」というタイトルは、
例えばスターウォーズに「壁人間」と名付けるような
例えばスーパーマンに「隕石」と名付けるような
例えばエヴァンゲリオンに「生物?」と名付けるような
何とも言えない居心地の悪さを感じるものだったと思う。見てる時はほとんど思い出さなかったのだけど、最後の最後完全に終わってから、
なんでこんなタイトルに?
ってスゲェ思ったから。ウソではないけど凄く弱い感じ。ちなみに原題がそうなので、日本人が付けた邦題が悪いわけでは無い念のため。
・・・
強くは勧められないけど、見て損したという感じでもない。クリス評価は★★って感じ。デンゼルの映画としては、「いつもとちょっと違う」感じ。てか、ちょっとネタバレに入っていくので、見る気になったらここで読むのを止めて見始めて欲しいのだけど、、、
デンゼルは犯人との交渉役。でもこれもあんまりしっくりとは行かず、そもそも「せっかくデンゼルなのに」、最終的にほとんど「いいとこなし」だった。
それもイマイチスッキリしなかった部分。ただ、
それとは別のベクトルで、しっくり来たところもあったり。
・変なタイトル
・主役が主役として機能してない
一方で、
・誰も死なない殺さない
・ほぼ誰も損しない
・ちょっぴりサービスカットがある
つまり、「営利目的の銀行強盗」の映画で、なおかつ主人公は警察側なのに、犯罪が成立して「気持ちよく逃げて終わり」。
非常に、と言うか過去に例がない珍しい展開と結末。
もしかしたら後日談で捕まえるシークエンスが発生する可能性もゼロではないけど、たぶん捕まえない。もちろん犯行に及んだ連中はちゃんと利益を得ていて、同時にそれは「誰かの懐が痛んでる」わけなのだけど、
どこか「それはしょうがないでしょ」と思ってしまう自分も居たりする。
ある意味「盗まれた側の贖罪」のような。だから、
上手い側面ではちゃんと上手い。
でも、
不満はやっぱり残る。
だから、
何とも言えない映画だったな、と。
脚本を読んで出演を決めたとしたら、キャストはみんなこの脚本に納得し、唸ったと思う。それほど「良く出来てる部分は良く出来てる」。てかたぶん、、
デンゼルがダサかったのが凄く不満なんだろうな、僕は。
「一番デンゼルがかっこ悪い映画」で、「タイトルが変」。でも「話は良く出来ててキャストは声優含めとても良く出来てる」。そんな映画だったわ。
| 固定リンク


コメント