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2023年10月27日 (金)

インサイドマン

一日で3作見た映画の最後の一本。主演はデンゼル・ワシントン。助演がジョディ・フォスター、ウィレム・デフォーで、監督は名前だけ知ってるスパイク・リー。他にも見たことがある俳優が結構居た感じ。ただ、

 何とも言えない映画だった。

ジャンルとしてはサスペンスアクション、、だと思う。冒頭「半畳」ほどの狭い場所に居る男性が映り、そこから場面は大きくシフト。組織的な銀行強盗で、犯人グループが手際よく事を進めていく。

人質は20人以上。金庫や貸金庫にも侵入し、ふざけた人質
※大声で喚いたり、携帯を出せというのに持ってないとウソを付いたりした連中
はぶん殴ったりもする一方で、

 絶妙に人殺しはしないし、心疾患を持ってる人や、子供には優しかったり。

ちなみにこの犯人グループのリーダーが大塚明夫で、お馴染みデンゼルの山路和弘との掛け合いが、

 もう最高。

何つか「これぞ声優」という二人。上手いし、かっこいいし、しっくり来る。映画には字幕で見た方が楽しめる作品も少なくないけど、今作に関しては、

 吹き替えの方が楽しめると僕は思った。

つまり、キャストも声優も完璧で、シチュエーションも面白い。もちろん脚本も悪くないし、映画の善し悪しを決めるいくつかの要素で、かなり高得点をマークするような、そんな構成なのだけど、、、

 一言面白いとは言えない引っかかりがあったり。

何でこんなに「面白く無いんだろう」と思った。いや、決してつまらないわけではない。飽きさせないように工夫されているし、テンポもまんざら悪くない。ネタバレを控えつつストーリーに触れれば、結構いろんな伏線や、「臭わせ」があって、絶妙に興味を維持する、、、。

 ズバリ、「タイトルが変」。

決して意味が無いとか、根拠がないわけではない。ただ、この「インサイドマン」というタイトルは、

 例えばスターウォーズに「壁人間」と名付けるような

 例えばスーパーマンに「隕石」と名付けるような

 例えばエヴァンゲリオンに「生物?」と名付けるような

何とも言えない居心地の悪さを感じるものだったと思う。見てる時はほとんど思い出さなかったのだけど、最後の最後完全に終わってから、

 なんでこんなタイトルに?

ってスゲェ思ったから。ウソではないけど凄く弱い感じ。ちなみに原題がそうなので、日本人が付けた邦題が悪いわけでは無い念のため。

・・・

強くは勧められないけど、見て損したという感じでもない。クリス評価は★★って感じ。デンゼルの映画としては、「いつもとちょっと違う」感じ。てか、ちょっとネタバレに入っていくので、見る気になったらここで読むのを止めて見始めて欲しいのだけど、、、

 デンゼルは犯人との交渉役。でもこれもあんまりしっくりとは行かず、そもそも「せっかくデンゼルなのに」、最終的にほとんど「いいとこなし」だった。

それもイマイチスッキリしなかった部分。ただ、

 それとは別のベクトルで、しっくり来たところもあったり。

・変なタイトル

・主役が主役として機能してない

一方で、

・誰も死なない殺さない

・ほぼ誰も損しない

・ちょっぴりサービスカットがある

つまり、「営利目的の銀行強盗」の映画で、なおかつ主人公は警察側なのに、犯罪が成立して「気持ちよく逃げて終わり」。

 非常に、と言うか過去に例がない珍しい展開と結末。

もしかしたら後日談で捕まえるシークエンスが発生する可能性もゼロではないけど、たぶん捕まえない。もちろん犯行に及んだ連中はちゃんと利益を得ていて、同時にそれは「誰かの懐が痛んでる」わけなのだけど、

 どこか「それはしょうがないでしょ」と思ってしまう自分も居たりする。

ある意味「盗まれた側の贖罪」のような。だから、

 上手い側面ではちゃんと上手い。

でも、

 不満はやっぱり残る。

だから、

 何とも言えない映画だったな、と。

脚本を読んで出演を決めたとしたら、キャストはみんなこの脚本に納得し、唸ったと思う。それほど「良く出来てる部分は良く出来てる」。てかたぶん、、

 デンゼルがダサかったのが凄く不満なんだろうな、僕は。

「一番デンゼルがかっこ悪い映画」で、「タイトルが変」。でも「話は良く出来ててキャストは声優含めとても良く出来てる」。そんな映画だったわ。

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