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2023年10月22日 (日)

アメリカン・スナイパー

いかにもな戦争映画のバナーだったので、評価は4.5だったけどスルーしてた。そしたらインスタの友達が「見ようと思ってる」と言ったので、
※プラモの塗装の参考にするため
何となく見ることにした。

主演はブラッドリー・クーパー、、、知らん人。監督はクリント・イーストウッド。実在したアメリカ軍のエリートスナイパーの人生を描く感じ。

結論から言うと、

 別段面白い映画ではない。

以下ネタバレ全開。見なくていいけど、見る気なら読まずに見てね。

クリス評価は、、、「好み込」で、★☆。映画としてはたぶん6点くらいの出来だと思う。

・どんな子供時代だったか 厳格な父といじめられっ子の弟。正義感が強く力も強い

・他より遅れて入隊するが、持ち前の正義感の強さで、地獄の訓練(愛と青春の旅立ちみたいなヤツ)を乗り越える

・バーで知り合った美人と恋仲に。そのまま結婚

・シールズに配属され、スナイパーとしての初陣で、「対戦車手榴弾を持った子供」と「それを持たせた母親」を狙撃し、撃ち殺す

・ちょいちょい母国に戻っては、かみさんとイイ感じになったりケンカ腰になったり。「心も帰ってきてよ!」。まぁありがちな軍人に

・敵はイラクだったが、シリアのオリンピック金メダリストのスナイパーが登場。当然顔は合わせない

・ずっと一緒だった仲間がそいつに狙撃され、半死半生の状態で、「恋人に指輪を」と死亡フラグ。辛うじて生き延びて帰国し、主人公と話をするも、別れた翌日に死亡

・既に実績から部隊長に昇格した主人公。復讐に燃えつつ作戦の実行へ。ちなみにこの時のやりとりが劇中一番熱かった。と言うか唯一か

・1900m同士の狙撃合戦を制して倒す(殺す)も、周囲は敵だらけ

 ぶっちゃけどうやって生還出来たのか全くわからない。そして帰国するときはほとんどそんな流ればっかり。

「撤退!」で撤退出来れば世話はない。ゲームじゃあるまいし。

見ていて、ゲームっぽさ、前述の列挙のようなステロタイプな設定、展開、シーンが非常に多く、リアリティのある映像で、ありきたりな話を組み立てて、数字を稼ごうとしている、そんな映画だった。

笑う場面はほぼ無く、溜飲が下がるシーンも少ない。上に書かなかったけど、「退役軍人」たちとウダウダ話をするシーンも「お馴染み」という感じで、ある意味既視感の塊のような映画だった。

主人公は実在した「レジェンド」と称される人物と見た目も似ていて、演技も決して悪くない。途中何カ所かイラっとするところがあって、10秒飛ばしをしたけど、
※特に終盤。てか折り返しすぎる辺りで、興味はほぼほぼゼロに。スマホをいじりながら見る感じ。つまり、全く面白くなかった

 結論こう言う「半ノンフィクション」な戦争映画が好きな人には、結構刺さるように作られてると思った。

それほどお約束をしっかり守っていたし、驚きも一切無い。「そろそろ来そうだな」と思うところで狙撃されるし、アメリカより軍人が身近とは言えない日本人には、理解しづらい感覚でさえ「既視感」が伴う。

奥さんは普通。取り立てて魅力があるわけでも、「勘弁してくれ」と言うほどでもない。名前も知らない女優。

これを見るなら、マーク・ウォールバーグの「極大射程」の方が、遙かにエンタメしていて見ていて楽しいと思う。まぁ映画に何を期待しているかって話だけど。

・・・

ゲームライクなシーンが多い一方で、超長距離の狙撃シーンには大いに不満があった。

少しでもスナイピングのあるFPSをやったことがある人ならわかると思うけど、対象までの距離が伸びれば伸びるほど、当然のようにスコープはズレ易くなる。三脚で固定していてもそれは間違いないはずで、それが1900mともなれば、「0.1mmブレただけで、ターゲットの中は数m、ヘタしたら10m以上動いて然るべき」だろうと思った。

「ウォンテッド」のように、半魔法のような手法で命中させるならいざ知らず、映画としての演出とは言え、「それはやり過ぎ」もしくは、「それを当てることの凄さの演出不足」を強く感じた。あと、風の影響を考慮するシーンも全く無かったし。
※訓練中のセリフでは一瞬あった気もしないでもないけど

スナイパーなのにアサルトライフルを連射するシーンが多いのもゲンナリ。相手がスナイパーで長距離にいるのに、精度の落ちるアサルトライフル、それも移動しながら手持ちで撃って「当たるわけがない」。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」を、一流のシールズがやってることに、滑稽さしか感じ無かった。実際、

 アサルトライフルでスナイパーは誰も倒せてないし。

あと、

 そもそも僕はマシンガン系の武器が嫌いだし。

・・・

ひとつだけ学んだことがあるとしたら、もうクリント・イーストウッドの戦争映画は見ないってことかな。好きな人の好みを否定するわけじゃないけど、少なくとも僕には全く合わなかったわ。

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