文句ではないのだけど、、、
僕は文字通り小売業を営んでる。なので、当然のように「レジ袋」が存在し、お客様にはそれが要るのか要らないのかを毎回訊ねたりするのだけど、非常に高確率で、
「車だから要らない」
と言われたりする。「車だから」、手持ち袋は要らないと言うわけである。一見するとごくごく当たり前のリアクションのようにも見える。がしかし、
「歩きだから要らない」
「自転車だから要らない」
と言う人も存在するし、そもそも「なぜ要らないのか」は、売り手には全く関係がない。でもなぜか、
非常に多くのお客様が、「理由を言う」。
なぜ言うのか。それはつまり、「買わないことに後ろめたさを感じているから」なのだろうと分析。ウチの店は、袋の大小を問わず、「適正量で1円」である。つまり、
3袋になってしまっても、袋代は1円なのである。
それには結構深い理由があったりするのだけど、ひとまずそれは置いておくとして、、、。
お客様には「袋代1円ですが、お付けしてもよろしいですか?」と訊ねたりする。ちなみに、靴下やトランクス、マスクなど、小さなものには訊ねもしない。くるっと包装紙の帯を巻いて、そのままお渡しする。大手ならば「必ずお訊きするように」とレクチャーされるのかも知れないが、
お訊きする時間は、確実にお客様の大切な命を拘束している。
雑談で笑顔を貰うのとは意味が全然違う。
では、訊かない方がいいのではないか、と思われるかも知れないが、言ってもウチは袋代1円なのである。もちろん原価は1円ではない。「買って貰う方が損する」のである。
がしかし、ウチはエコバッグを禁止させて頂いている。
人目が少ないこと、「持ち歩くエコバッグそのものがリスキー」なので、お買い上げ品は、「当店の袋に入れる」か「帯を付ける」のだ。
完全にウチの都合。
てか、もっと言ってしまえば、「袋代を戴くのは、国とかの条例?が理由で、ウチの店が望んで始めたことではない」。さらに加えるなら、
1円くらい店が別途負担してもいい。
※0円にするのではなく、「1円玉」が大量に余っているので、それをお客様に「差し上げる」ようなニュアンス
ともかく、いろんな理由があって、「相応に多いお買い物の方」には進言させて頂くわけである。
「1円でも儲けを損ねさせてしまった」
から、理由を言われている気がするだけで、実際は全く違う心理が働いているのかも知れないけど、ウチとしては、もし袋を買って頂かない場合、
全ての商品に「まいどテープ」を貼り、全てをひとまとめにして紙でくるむ。
そう言う意味では、手間が掛かる。でもお客様によっては、「家に持って帰ってもゴミになるだけだから」と言う理由も十分あるし、「袋に入れて貰う手間」を軽減させてあげる、と言う気持ちもあり得る。
袋に入れない方が手間だとは夢にも思わない。
もちろんお客様の中には、特に常連さんには、その意図意味が伝わっていたりもして、そう言う方は気持ちよく「もちろん」と言って貰えたりするのだけど、結構デリケートな問題ではあるのだよな。
・・・ちなみに、なぜこんなルールにしたかと言えば、、、
・人目が少ないので万引きがしやすい
・人目を増やすほど売上がない
・エコバッグを使われるのが怖い
・エコバッグを使われないようにするには、レジ袋を限界まで安くした方がいい
・紙の帯を巻かないと、そのままレジを通さずに持ち帰る人と区別が付かない
・ひとつひとつまいどテープを貼らないと、「返品」の時に「未会計の商品をそのままレジに持ってこられた場合」と区別出来ない
・レジ袋を買って頂いていれば、それに入れて持ってきて貰いやすいので、まいどテープを貼る必要性が下がる
・特に交換の可能性を示唆された場合は、あらかじめレジ袋を買って頂き、それに入れて持ってきて頂く
お客様によっては、そのウチの店のルールに「違和感」「腹立たしさ」を抱かれる可能性もある。なぜエコバッグがダメなんだ!と。でも、その理由を言えば、ほとんどの方は納得して下さる。
ちなみに、なんで万引きされているとわかるのか。
店のそこら中から、空のハンガーが見つかるし、そもそも「店のレジカゴが大量に無くなっている。
つまり、カゴごと持って帰られてしまっているのが明白なのだ。
でも人は増やせないし、増やしたところでレジでくっちゃべるだけなのだ。
様々なジレンマと事情の元に、今の状態になっているのだ。
これが正解であるかはわからない。でも、これより正解に近い答えは、僕には見つけられないのだ。
●同じ品で値段が違うわけがないだろ!
ウチには同じ品でも違う値段のものがたまにあったりする。それは、円安や運賃高などの理由で、仕入れ値が高騰し、それに伴って売価が変わってしまった商品と、それまでの商品を混在して店に出しているから。
通常こういう状況になった場合、
※ウチの店も昔はそうだった
旧品の価格を新しい方の値段に「値上げ」することで、同価格にするのが慣例だ。と言うか、「当たり前のこと」。
でも、自分が買う側に立った場合、
少しでも安く買えるチャンスがあるなら、その芽を摘まないで欲しい
と思う。3枚の同じ商品があって、その内1枚だけが50円安かったら、そしてその理由が、仕入れ高騰であり、「致し方ない(納得できる)理由」であったなら、
その1枚を50円高く買いたいとは思わない。
当たり前。でもこないだのお客様にはそれが通じず、
同じ品で値段が違うなんて、そんなバカな話があるか!
の一点張り。感情的になってしまってはダメだけど、
「それなら高い方の値段で安い方もお支払い下さい」
とのどまで出掛けてた。
今の世界は、いろんな過去の当たり前が通じなくなってる世界だ。いろんな理由、円安、コロナ、原油高、、、いろんな理由で物の値段は上がっている。そんな世界で、「同じ物なら同じ値段が当たり前」という世界は、「既に崩壊している」と、売り手である僕は思うし、
そこで全ての旧品の売価を変えて、値上げする手間も大きい。
でもそっちよりは、「少しでも安く買えるチャンスを提供したい」と言うのが僕の偽らざる本音。
なかなか真意や誠意が通じないことってあるね。
余談
これはさらに余談指数が高いのだけど、
「タグとか値札とか全部取ってくれていいよ」
と言う言葉。大人な時の僕は、スッと「了解です!」と取る。がしかし、時折子供の時の僕が顔を出す。
「取った方がいいですか?」
するとお客様はこう言う。
「取ってくれていいよ」
これも、油断すると「では取りません」と言いそうになる。
もちろん言わないが。なぜならそれは、
日本語として正しくとも、接客としては不正解だから。
先日見たマスカレードナイトのような高級ホテルマンなら、その辺のさじ加減は完璧にこなすのだろうけど、なかなかそこまでの完璧サービスは難しいんだよね。。
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