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2024年1月29日 (月)

女神の見えざる手

非常に珍しいパターン。

評価は4点か5点でかなり高かったが、主演のジェシカ・チャステインは、見覚えはあったけど名前を覚えるほどではなかった女優。
※調べたらインターステラーの娘役だった

ジャンルは政治サスペンスで、普段はまず食指が動かないものだったのだけど、何となく見始めた。

キャストは他に、キングスマンの執事?みたいな役が印象的だったマーク・ストロング。ガイコツのようなほお骨が特徴的な、善意を感じさせる脇役だ。

あらすじとしては、日本では馴染みのない「ロビースト」という職業の話。政治公約を実現させるために、手回しや宣伝などを担当する人。その中でも抜群の実績と能力を持つのが主人公スローン。しかし今回、「銃の規制を緩くする法案」を、(太客だったこともあり)自分の会社から進めろと言われ、

 断固拒否。

結果、チームの半数を連れて、弱小会社に転職する。次の議会で確保しなければならない反対票をいかにして集めるか、ほぼ勝ち目のない戦いだったのだが、、、

みたいな感じ。まぁお堅い話だし、そのスローンは、

 目的のためには手段を選ばない女。

結婚してなくて子供も居ない。さらに「不眠薬を常用し、眠ることすらしない」。凄まじい早口で、人間味は一切感じさせず、チームメイトですら監視の目を向ける。非合法な手段に訴えることすら珍しくない。

 このキャラをどう受け止めるかが、この映画を見続けられるかにも関係するかも。

ただ、案の定そんな「尖った女」は、叩かれる。中盤いくつかのスキャンダルが暴露されたり、チームメイトの「話したくない過去」をテレビで暴露し、あまつさえその子を命の危機に晒してしまったりする。

 これはツライ。

僕は強くて冷たいだけのキャラは大好きだけど、そう言う人が「凹んでいくところ」は見ていられないのだ。グレイテストショーマンでも、中盤の「ダメダメパート」はガッツリ飛ばしちゃった人だし。

ともかく、そんなこんなでさして興味も湧かない、「不慣れな題材」だったこともあって、見るのを止めようかとも思った。

ただ、それだとあまりに感想を書きにくいし、言っても6割近くは見たので、最後の方だけ見て、それで少しでも溜飲を下げることにした。つまり、実質6割見て、2割スルー、そして最後の2割を見た、という感じ。

 そんなんで感想を書くなよ、と言われるかも知れないが、それは僕の自由だろ、とも思う。なぜなら、「それを隠して書いているわけじゃない」し、それを踏まえた上で、どういう感想なのか受け止めればいいだけの話だから。

で、

 ビックリするくらい結末が良かった!

繰り返すが、僕は全編を見ていない。なのに、

 最後のクライマックスに関しては、既に6回、繰り返し見ている。

それほどまでにクライマックスのカタルシスが飛び抜けて高く、

 クリス評価は★★★★だ。

この感じは、何かに似てると思った。

 そう、「ショーシャンクの空に」にそっくりなのだ。

もっともあれは、ラスト以外ほとんどストレスフルな展開ではあったけど、

 最後だけ繰り返し見たくなる感じは、アレと同じと言って良い。

誰がこれを読んでこの映画を観る気になるかわからない。UNEXTでは無料だったけど、アマプラでは400円だし、DVDのレンタルにあるかと言われたらわからない。なのだけど、

 これほど痛快なクライマックスを持つ映画は、僕の知る限りでもたぶん10本もないかも知れない。

ゾクゾクするし、ワクワクするし、ドキドキするし、

 とんでもなくスッキリした。

もちろん飛ばした分多少濁ってる、わからなかったところもあるかも知れないけど、それを踏まえて尚スッキリしたのは事実。

ショーシャンクの空にが嫌いな人は少ないと思う。あれもマイナスの溜めが凄く多い映画だったけど、最後の爽快感で「名作」になった。

 誰かひとりでもこの映画を観てくれる人が居たらいいな、と思う。

全部見てない僕が言うのもなんだけど。

・・・

ちなみに「女神の見えざる手」とは、「いろんな人が勝手に利己的に行動しても、最終的には全体に利益をもたらす」という意味らしい。
※どこぞの経営学者の言葉らしい

原題は「Miss.Sloane」。主人公の名前。「スローンという女」ってやらなかったところに、邦題を付けた人のセンスを感じるし、本作に対する評価の高さも見える。適当に付けたくないほどの内容だったからな。

 ま、全部見てない僕が言うのもなんだけど。
※さっき言った

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