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2024年4月 8日 (月)

沈黙のパレード

ガリレオシリーズは好き。たぶんテレビも劇場版も、本作以外は全て見ている。ただ、映画館に行くほどではなく、有料レンタルを借りるほどでもなかった。もっとも、「好きではあるけど大好きではない」くらいなので、その存在を忘れかけていた、ってこともあるけども。

たまたま番組表を見ていて目に付いたのでタイマー録画。今し方視聴終了。

 クリス評価は★★☆。

ネタバレを書く前に、多少補足。

本作はガリレオの劇場シリーズ最新作で、よくある「最新作の公開直前に、一作前をテレビ初披露」ということではない。言い換えれば、コレ以降まだガリレオはひとつも撮られてない。僕が知らないテレビシリーズの予定があるのかも知れないけど。

正直言って、僕の知識はとても希薄なので、どこからがネタバレになるのかはわからないけど、とりあえずこれを読むのなら、「本作を見ていた方がいい」とは思う。なぜなら、

 僕がこれを読む前に見たから。

・・・

以下非常に希薄なネタバレから入る。

ガリレオシリーズには、いくつかのスピンオフ的な作品がある。若い頃に焦点を当てた物もあれば、湯川准教授が登場しない作品もある。本作がどんな立ち位置なのか、全く知らずに見始めたので、

 最初は、福山雅治が出てこないヤツなのか?

と思った。柴咲コウと北村一輝がガッツリ出てきたので、「今回はこの2人の話なのか?」と。

 まぁ違ったわけだけど。てか、劇場版ガリレオで湯川先生が出ない選択肢は、考えてみたらありえなかったけど。

序盤のテンポが極めて遅く、正直中盤までは、30秒飛ばしたくなるシーンが散見。さらに実際に飛ばしちゃったところも4、5カ所。

 全く飛ばしたことを後悔しなかったので、つまりは冗長なパートが多かったということになる、、、と僕は思う。

テレビ録画で、その録画の尺は2時間半くらいだったので、実際の本編は110分くらいだったのかも知れないけど、あと10分は短くできると思うほどには、

 無駄が多い映画だった。

つか津田寛二のマスコミとか要る?って今でも思ってるし。

キャストは、まず吉高由里子じゃなくて柴咲コウなんだ、って思った。最近めっきり吉高の株が上がってたので、ちょっと残念。でも、

 柴コウがほとんど歳取ってないことにもビックリ。

北村一輝もガッツリ絡むエピソードだったけど、この頃の彼には「ヒールのイメージはほとんどない」。以前は悪そうな顔だったけど、明らかに善玉。無精髭の長さが絶妙で、湯川先生と好対照。

 てか、演技やセリフに違和感は無い。

他のキャストも見知った面々が多かったけど、椎名桔平に関しては、「謎解きはディナーのあとで」のダメ刑事が、僕の中でくすぶってしまって違和感が。「演技の幅が広がる」とは言え、不要なノイズが残るのはどうかと思ったり。

ずんの飯尾は、もはやお笑いであることが「なかったこと」のような安定感。名脇役と言っていい完成度。

 渡辺いっけいが出なかったのは、正直寂しかった。

物語的に、ガス抜き役の彼が「要らない」、シリアス寄りのものだったので、致し方ないとは思ったけど、理屈と感情は違う。

あらすじ的には、

将来歌手になることを夢見ていた町の食堂の娘が、頭蓋骨陥没を死因として発見された。その被疑者となった男は、15年前、別の殺人事件でも立件されたが、黙秘を続けて無罪釈放になっていた。そして今回も、、、

みたいな。

雰囲気的には、オリエント急行殺人事件のように、「疑わしい人が凄く多い」展開。僕は全く推理小説を読まないし、そもそも「推理しながら映画なりドラマなりを見ない」。多少は、「あいつ怪しい」とか「この人が犯人っぽい!間違いない!」みたいなことを考えはするけど、そこに深い根拠はない。強いて言えば、劇中でサラリと触れた伏線が、

 気になって気になって最後まで引きずり続けた結果、スルーされることがあったりすると、「ガッカリする」くらい。

今回は、そう言う意味では「ちゃんと回収してくれて」ホッとした。

冒頭に書いたけど、評価は5/10点。決して悪くは無い。悪くは無いのだけど、合格点である6点には一歩及ばなかった。

理由は、先ほど書いたように序盤のテンポが悪かったこと。そして、

 湯川先生のキャラが微妙にブレてるように感じたこと。

もっとクールでドライな男ではなかったのか。みんなと一緒に打ち上げに、それも喜んで参加するような人ではなかったはずだけど。

 物語の構成上仕方ないとは思いつつ、
※つまりこれが謎解きに関係するとは思わなかったけど

 イマイチスッキリは出来ず。

てか、言っちゃ何だけど、劇場版ガリレオはどれも「話が重すぎる」。見ていて疲れてしまうというか、「謎解きミステリー」ではなく、「シリアスな殺人事件のドラマ」って感じで、いつもの「めちゃめちゃ数式を書きまくる」シーンもなかったし、

 好みとは言い難い内容だったかな、と。

こういうのが好きな人も少なからず居るとは思うけどさ。

・・・

見て後悔したってことはないけど、途中のCMの尺が凄いランダムで、30秒飛ばしを繰り返して「がんばって見た」感じ。出来るなら、CMの入らない配信やレンタルで見た方が、「よりちゃんとした評価」は出来ただろうな、とは思った。

もっとも、それでも30秒飛ばしたくなるような「ダレたシーン」が相当あったことは事実だし、言い換えれば、「ここをもっと丁寧に掘り下げて欲しかった」と言うシーンも無かったので、

 そもそもそこまで長尺向けの原作ではなかったのかも知れないな、と思った。

余談だけど、劇中、夕暮れの食堂で、「掛け時計」の音だけが響くシーン。あれは、

 スゲェ良かった。

あと、湯川先生の「さっぱりわからない」は、たぶん日本中でみんなが心の中で「さっぱりわからない」とシンクロしただろうな、と。僕がそうだったから笑。

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