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2024年8月26日 (月)

長男と休日

お盆で帰省してきたので、久々に男二人でドライブに。家でダラダラゲームして過ごすばかりが休日ではない。

前日に長男が「聖地巡礼」の話をした。例えばそれはかみさんが大学時代住んでいた場所であったり、
※ちなみにハワイ
子供の頃、僕と一緒に行ったところであったり。
※ちなみにハワイ

だったので、僕なりに「長男にとって聖地かな」と思えるところに連れて行くことにした。

朝8時半頃を目処に家を出る。BGMは主にゲーム音楽だが、僕がたまたま直前に入れ込んでいたこともあって、MOTHERを中心にスマホに入れておく。

長男は、1は未プレイ、2は何度かGBAでクリア済。たぶん直近のクリアは長男の方が遙かに最近だろう。

 僕のMOTHER2の直近クリアは、長男が生まれる前だし。

で、3は僕はほとんどやってないが、長男はクリアしている。ただ、3の想い出はそこまで深くないらしく、
※リアタイでクリアしただけ
話題はもっぱら、

 永田さんのコラムやBGM、2の話だった。

ドライブだから景色を見るとか、美味しい物を食べるとかはあまり意識しない。季節柄海水浴とかも選択肢に出そうなものだが、それも無し。今思えば水着とバスタオルくらいは持って出ても良かったかも知れないが、

 思いも寄らなかったし。

途中、長男に永田さんのコラムを音読して貰う。彼は僕より車酔いに強いので、割と読めるらしかった。

 そして結構な爆笑を戴いた。

こういうのは本当に気持ちが良く、僕も大いに笑わせて貰えた。ありがとう。そして、ありがとう。

BGMは、歌があるもの、スマブラDXのもの、あとメトロイドのエンディングがあらためて名曲であり、

 ゲームを遊んでなくてもこれは名曲として受け入れたのか

なんて話も。それはそうだろう。誰しも一回目はあるし、一回目からグッと来るからこそ、エンディングが胸に刺さって抜けなくなるのだ。

僕は浜名バイパスを苦手としていたが、長男と二人話しながらだと、殊の外怖さは感じない。前回走ったときは、時速60キロでも手汗かきまくり、足はブルブル震えまくりだったが、今回は80キロでも全然余裕だった。

 風が凄く強かったのかも知れないけど>前回

目的地のひとつが、昔長男を連れて行った、掛川にある「とんかつまえだ」。前日は営業していたし、お盆で飲食が休みとも考えにくい。11時か11時半頃に着くことを想定してドライビング。

途中曲がる道を逸してしまったのと、ちょっと時刻的に早すぎるかな、と思い、一旦別の目的地として、長男が子供の頃行った「浜岡原子力館」を目指す。子供の頃見たものが、今見るとどう見えるのかは、聖地というほどでなくとも楽しそう。以前は無料だったが、今回は有料になってそうだな、とも。

 果たして原子力館は「臨時休館」だった!

ガックシである。お盆は稼ぎ時じゃないのか?と思ったが、

 無料の施設であった。それは「お盆休み」でも致し方ない。

ちなみに道中で僕らが興じていたのはしりとりである。しりとりとは、

 片方が言った言葉の最後の一文字を、次の人が引き継ぎつつ別の言葉を繋げるゲーム

だ。初めて聞いた人は覚えておこう。ちなみに、最後に「ん」が付く言葉を言ってしまったら負けであり、一度でも出た言葉は使えない。せっかくなので例を挙げて言うとしたら、

 ゴリラ、ラッパ、パンダ、ダルマ、マッチョ、、、

と言った具合だ。最後の「チョ」を「ヨ」とするのか「チョ」とするのかは、その場に居る者たちで決めれば良い。つまり、「チョンマゲ」にするのも、「よっぱらい」にするのも、その人達次第というわけだ。

また、しりとりには往々にしてルールが伴う。「何でもあり」でやる場合もあるが、それは、プレイヤーの年齢が若年層を交えた場合だろう。ただ、「2歳児」相手に「絶対領域」と言っても通じないので、基本的には「そこに居合わせた人間が全員知っている、もしくは容認してもらえる」言葉であることは重要だ。ここで、

 だってあるんだもん!

とかわいく駄々をこねていいのはカワイイ女の子だけだ。女の子でもかわいくなければ許されない。これは大変重要なルールなので良く覚えておこう。あ、しかし「かわいければ男の子でもOK」であるとは、付け加える必要があったかも知れない。

 かわいい男の子は、かわいい女の子以上に希少種なので、生きている間に出会える可能性は極めて低いのだけど。

一般的なしりとりのルールとしては、

・食べ物だけ
・生き物だけ

などだが、人名や映画、アニメなど、ややニッチなジャンルで縛って行われることもある。また、僕の敬愛する永田さんが行ったのは、

・3秒しりとり

言葉を言った人間が、言った直後から3秒を数える。その間に次の人は言わなければならない。言えない場合はそれで負けである。

 かなりハードコアなルールであり、「しりとり梁山泊」である彼らならではのものかも知れない。

長男が発案し、以前ツアーのバス旅行で披露したルールも面白かった。

 一巡するごとに文字数が増えていく

参加者は、40人ほどから選出された数名だが、一定時間(30秒)で発言権が他の非参加者にも広がるというのも面白い。しりとりは本来2人から5人ほどで遊ぶゲームだが、その方式ならば居合わせた人数が多くても、みんな参加することが出来る。

また、しりとりにはとても重要な注意事項がある。「みんなが知っていること」であることもそのひとつだが、

 しりとりには、敗者は居るが勝者は居ない

ということである。しりとりは「ん」を言ってしまうこと、どうしても次に繋げる言葉を思い浮かべられないなどで、「負ける」。しかし、相手が「言えないだろう文字」で攻め続けるのは、

 ゲームを楽しむ上で、決して褒められる行為ではないのだ。

それは「ぬ責め」と言われる、最後の文字が「ぬ」で終わる言葉ばかりを続けて言うことであったり、続けて同じ文字ばかりで攻めることであったりする。必ずしも言ってはならない言葉ではないが、「明日から使えるしりとりのマナー」として覚えておこう。

そんなしりとりのルールについて軽くお話したが、今回長男と行ったのは、永田さん考案の、

 一度出たジャンルはもう言えなくなる

というもの。食べ物が出たら食べ物はもう言えなくなるというようなことなのだが、細かい部分は氏も深く説明していなかったので、随時僕ら二人で組み立てていく。気の置けない関係であるがゆえに、

 お互いが「より楽しくなるには」という目的を持って進んでいける

というのは、ゲームを楽しむのにとても大きな、そして重要なポイントと言えるだろう。

ちなみに、このルールのとても大きなポイントとして、

 ジャンルは書き出しておいた方がいい

ということ。なぜなら、長く続けていると忘れてしまうから。そして、

 範囲は広い方が楽しい

ということ。例えば、「食べ物」の中に、薬や飲み物を入れて良いのか、イカは食べ物なのか動物なのかなど、曖昧になるポイントがいくつも出てきた。ここで、イカを甲殻類に限定してしまったら、

 ダンゴムシは甲殻類なので既に出ているからダメね

などという、「著しくニッチなリアクション」を講ずることになりかねない。「魚」と言えばイカは入らないが、「魚介類」と言えば入る。言葉を放った者が、その時点でジャンルを特定するようにしたのだが、

 これを狭くすると、あまりにも「言えすぎてしまう」。

人物名ではなく、芸能人にしたことで、その後マンガ家や偉人、アナウンサー、ビジネスマン、画家など、結構な数の「人物」が出てきてしまった。

ドライブをしながら行うゲームとして、しりとりは非常に相性が良く、完成度が高い。ドライバーも参加出来るし、ゲームに「目」を使わないので、景色を楽しみながら遊ぶことも出来る。一方で映画やアニメのように、作品に脳のリソースを取られることもない。純粋に、言葉探しに没頭出来る側面も素晴らしい。

今回どんな言葉が出たのかほとんど覚えてはいない。が、最後のひとつだけはよく覚えている。僕が苦慮の末ひねり出したのは、

 うんこ!

物言いが付いたのは、事前に出ていた「スクラップ」である。スクラップとうんこは同ジャンルではないか、という審議である。そもそもスクラップは、同ジャンルの別の物が存在しないのではないかという審議もあったが、それを乗り越えて参戦した言葉だった。が、うんこは、人間からの排出物であり、汗やおしっこ、フケなどはNGとなるが、うんこはスクラップと違い、同ジャンルのものがある点でも差違があるのではないか、という僕のプレゼンもあり、

 うんこは、新たな一ページとして刻まれることとなった。

が、タイミング的にちょうど昼食前後であったこともあり、ゲームはそれで終わりを告げた。「キレイ」とは言えないが、「キレイにオチが付いた」というところだろう。

・・・

話は前後するが、今回僕が長男を連れて行きたかった「聖地」は、彼が子供の頃一緒に食べたまえだのとんかつだけではない。それはそれで目的地のひとつであったが、本当の目的地は別にある。

それは、

 僕とかみさんがセックスをし、彼が着床した場所。

オヤジが息子に話をする、、、息子ってチンチンのことじゃないよ?長男にする話として、それはどうなんだ?とも思うが、長男は、実家近くのアパートに引っ越してきてから生まれている一方で、

 その十月十日(とつきとうか)前は、別のトコロに住んでいた。

それはつまり、僕がひとり暮らしをしていて、そこにかみさんが転がり込んできてからの時間。

実際はその町営住宅は建て替えられ、その時の建物や部屋は現存していないので、あっているのは座標だけなのだが、

 聖地巡礼とはそう言うものでもないだろう。

家賃が一ヶ月9000円と駐車場が2000円。駐車場は畑になっていて、当時2階建てで3棟ほどあった建物は、ひとつの大きな建物になっていたが、彼は彼なりに写真を撮り、それなりに感銘を受けてくれていたようで良かった。

・・・

とんかつまえだでは、さすがに近々で僕が来ていたことは覚えていて貰えた。普段なら「特製ひれかつ定食」を迷わず頼む僕だったが、今回は事前に情報を得て、

 初めて他のメニューを頼んだ。「特製揚げ物定食」※うろ覚え
※長男は僕がほぼ勝手に「特製ひれかつ定食」をチョイス

ひれかつひとつ、エビフライ2つ、チキンカツ、串カツというボリューム満点な内容だったが、

 ぶっちゃけひれかつとエビフライは美味しかったが、チキンカツと串カツは残念だった。

次回は迷わず特製ひれかつ定にするだろう。だが、

 長男は、、、大絶賛!だった!!

目を瞑り、その美味しさを堪能するスタイルは僕が美味しいものと直面したときに酷似し、「ああ親子なのだなぁ」と思った。

あまりの美味しさに、食べてる様子を動画に撮り始めるほどである。ちなみに、店内の様子や、配膳された直後の静止画は既に撮影済みである。

 てか、税込1600円は無茶苦茶安い。

税抜だと1455円であり、

 33年前に僕がひとり暮らしの頃来ていた時の1500円よりも安くなっている!

白米、酸っぱくない酢の物、豆の総菜、漬け物、生野菜※ベビーコーンやゆで卵、トマトなど、キャベツにはドレッシングが適量掛かっていて、豚汁やソースも含めて、

 完璧な状態。

お好みでカラシや一味を付ける選択肢はあるが、それはあくまでお好みの領域。

 最後の一口がバランス良く「宇宙」を形勢していることに腐心して食べ進める。

ちなみに「宇宙」とは、ご飯やキャベツやカツ、豚汁がそれぞれ少しずつ残っている状態。全てが存在する「宇宙」である。

途中で、長男共々ご飯のおかわりをするか思案したが、それをせずとも食べ終わった時には、

 しっかりと満足、それも「大満足」出来た。

長男もしきりに絶賛してくれて、「これぞ連れてきた甲斐がある」というところだ。

その後は、あまり何の話をしたのか覚えてない。往路と復路を同じルートにしたため、帰路の方がとても短く感じた。

 まぁ当時毎週のように通っていた道だから、余計その感じは強かったのだろうけど。

帰宅したら、長男はそのままエアコンの効いたPC部屋で寝てしまった。僕はドラクエを少し進めて、普段と変わらない日常に戻ってきた。

・・・

僕は54歳。長男は28歳くらいだろうか。未婚で東京に住んでいる。今の職場は、東京タワーのすぐ近くで、窓の外には、手の届きそうな距離にあの赤い三角が見える。不労所得を目指して勉強しつつ派遣の仕事をしているが、以前より笑顔が増えたようで、親としてはそれが何よりも嬉しいところだ。

何もかもが楽しいことばかりではないだろうが、たまにこうして実家に戻ってきて、取るに足らないゲームやらしりとりやらの話をするのは、決してつまんない人生でもないと思う。健康でありたいと思うし、健康であって欲しいと思う。楽しい人生を支えるのは、まずは健康だからだ。

 そんなことを思うのは、僕が不健康に苛まれることが増えたからなのだろうけどさ。

また気が向いたらしりとりをしようじゃないか。今度は違うルールでな。

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