怖すぎる話
仕入れ先のバイヤーの実体験。それもつい最近、2025年11/21日頃の話。
常日頃生きていると、つい「最悪!」とか「終わった」とか「詰んだ」とか口にしてしまう人がいる。ネットなら「しぬ!」と連呼してる人もいる。
実際は死なないが。
もちろん今ここで僕が書く話もまた、「癌の宣告で余命1ヶ月」とか、「子供や両親が事故で死んだ」とか、「なにげなく車を運転してて人をはねてしまった」とかと比べたら、全然大したことはないのかも知れない。
ただ、よくバイトの子にも言うのだけど、
「最悪!」と言ってもほとんどの場合は、最悪ではない。
ただ、今回の件に関しては、間違いなく口にしてもいいラインを超えていると思う。
そのくらいはガチで最悪で、もし自分の身に同じことが降りかかってきたら、
本気で泣きたくなるし、どうしたらいいかわからなくなるかも知れない。
僕の大好きなマンガ、吉田聡「スローニン」の中のセリフに、
「どうにもならないなんてことはない、大抵の場合はどうしていいかわからなくなってるだけだ」
というものがある。でも今回の話は、まさに「そのギリギリの局面」だったのではないかと思う。
そして同時に、「そう言う人が日常的に存在しうる」という事実を真摯に受け止めなければならない。
・・・
彼は名古屋近郊に住んでいて、職場も名古屋。ただ、全国展開する問屋なので、取引先や顧客は、全国に散らばっている。
たまたま四国への出張が入り、彼は大阪の売り出しのあと、そのままレンタカーを借りて四国まで車で移動したとのこと。なぜ車だったのかはわからないが、もしかしたら同僚と乗り合わせて行ったのかも知れない。
用件の都合なのか、同僚たちが仮に居たとしても、帰りは自分ひとりという状況だったとのこと。ちなみに四国は九州よりは近いが、松山までなら544km。休憩せずに車で6時間ほどの距離になる。今回の場合は、大阪からとのことなので354km。時間で4時間弱と言うところか。
走り慣れた通勤ルートであれば、その時間はそこまで長くは感じないかも知れない。毎日毎日同じ道を走っていれば、体感距離は時間はかなり短く早くなっていく。
しかし、彼の自宅が四国だとは聞いていないし、そもそも彼は、
前の晩に「インフルエンザを発症していた」。
泊まりのホテルで、咳こみ、倦怠感があり、急速に体調が崩れていくことを実感する。
しかし、自分ひとりで、ここは四国。家は名古屋。レンタカーは大阪に戻さなければならない。
インフルエンザを患った経験がある人ならわかると思うが、
発症した直後が一番キツい。
熱は39度ほどだったとのことだが、「言っても39度は低くない」。その状況で、
4時間車を運転し、そこから電車に乗って名古屋まで帰る。
そのレンタカーを次に借りる人が、たまたま同じ型のインフルに罹患しているとか、凄まじいウイルス駆除のクリンネスを徹底してくれるところならまだ、ワンチャン安全になるのかも知れないが、
4時間インフルエンザウイルスを浴び続けた車内、、、想像しただけで変な汗が出る。
そして、土日であろう新幹線もしくは近鉄電車。新幹線なら1時間足らずだが、近鉄なら2時間半という可能性もある。乗り降りが少なければ少ないほど、換気もされず、あまつさえ電車が動き出せば、マスクを外している人も少なくあるまい。最近は(インフルが)流行ってるから、一ヶ月前よりはマスク着用者が多いだろうし、当人も当然マスクはしていたであろうが、
発症後2日目レベル。どう考えても見た目もヤバイだろう。
正直「よく無事に仕事に復帰できたね」という感じだけど、
他の選択肢がどう考えても浮かばない。
ホテルに延泊したところで回復が見込めるものでもないだろうし、そもそもその体調で4時間運転して帰ってくる決断を「一度してしまったら」その取り返しはなかなかに付くまい。
僕の記憶では、四国と大阪の間にはそこそこ広い海がある。
よもや瀬戸大橋の途中で「もう無理!」とは言えないだろう。いくら言いたくても。
幸い僕は「どう考えてもインフル、もしくはコロナだろ」という人に直面しつつ電車に同乗したり、混雑する駅構内で見かけたこともない。しかし、それは自分が「加害者側」になる可能性だって当然あるわけで、かと言って、
「家から出るのを控える」ということが許される状況じゃない。
インフルにしてもコロナにしても、いつどこで貰ったのかは確証が持てるものでもないだろうし、それに思い当たることがあったところで、
自分が四国で39度の熱にうなされている現実から逃れられるわけでもない。
誰かが向かえに来てくれるはずもない。
彼はまだ40代中盤だったと思うが、これが60代であれば、命に関わることだったかも知れないし、そんな状況での長時間運転は、二次災害、つまり車の大事故を起こしてしまったかも知れない。
ウイルスをバラ撒いたことで「自己中心的」と揶揄される可能性がありつつも、果たしてどれだけの人が、同じ状況下で「自己中心的ではなく、かつ理性的、健康的にベストなチョイスを出来たのか」は、甚だ怪しいモノだ。
インフルエンザ高熱時は、当然のように判断力や行動力、反射神経全てが低下する。
彼を責めたくなる人はいると思うけど、
※特に彼の後にそのレンタカーに乗って罹患してしまった人とか<もしいたら、だけど
自分が逆の立場だったら、「正解がない絶望」に苛まれるのは間違いないわけで、責めたくなるだろうけど責められない、同情しかないというのが、僕の本音だ。
てか、このバイヤーは、ついこないだもコロナを食らったばかり。
※半月前くらいだからほんとに最近
どんな悪行を働いたのか、はたまたとんでもない幸運がこれから舞い降りるのかはわからないけど、
「四国で独りインフル」は、相当大きな見返りがないと割に合わないな、と思った。
| 固定リンク


コメント