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2026年1月17日 (土)

ルックバック

存在を知ったのは劇場版公開当時の伊集院のラジオ。あらすじとかは語られなかったと思うけど、とにかく面白かったと書かれていて、すぐさま劇場を検索したけど、最寄りのシネコンではやってなくて、あれよあれよと公開終了。

しばらくしてUNEXTの有料で配信開始。そう言えば娘からも「ルックバック(映画館で見て)良かったよ」と聞く。

 よっぽど面白いんだろうな

と思いつつ、

 あの絵と雰囲気が、僕に視聴を躊躇わせた。

これはもう感覚的なものとしか言いようが無く、「僕の鼻が」何かを感じ取っていたとしか言いようがない。

そうこうするうちに配信が無料になり、当然遙か前からマイリストには加えてある。

 どうなのか。

たぶんつまらなくはない。ただ、最近の僕は「打たれ弱くなっていて」、ちょっとした鬱展開でも速攻ギブアップして早送りやスキップをしてしまう。でもたぶんこの映画は、そう言うことをしちゃダメなタイプだとも思う。これも「僕の鼻が」そう言っている。

お正月の3日目。明日からはまた普通に仕事が始まる。特に楽しめるゲームも無く、アニメや漫画、インスタに傾注することもない。もちろんプラモも作ったり塗ったりしない。つまりは、

 大切に時間を過ごしたい一方で、「究極的にヒマ」だった。

このままインスタやスレッズをダラダラと見て過ごしてしまうのは、さすがにもったいなさ過ぎる。それに、最近の時間の流れの速さは、

 あっという間に「配信終了」の時を迎えかねない。

UNEXTはライブラリが厚い配信サービスではあるけど、それでも終了するものは終了する。PS+のゲームなんて、以前遊んでいたもので今も遊べるものなんて、ほんのちょっとしかない。

 時間は加速度的に過ぎていくのだ。

ならば、これは死ぬ前に見ておいた方が良いと結論付けた。再生しようとしたら時間がわずか57分であることを知る。

 「良い」と称される映画が「1時間に満たない」とは、つまり、

 「とても良い」可能性をはらむ。

監督とはとかく90分や2時間で「まとめたがる生き物」だ。その結果、どうしても入りきらずに131分とかになったりする傑作がある一方で、どう考えてもこの1秒、この5秒、この10分は不要だろ、と言いたくなる作品も多い。「少なくないのではなく、多い」。

だからこそ、この「57分」という重さを、僕は真摯に受け止めるし、受け止めなければならない。襟を正し、作品に対して誠実に向き合う「べきだ」と思った。

ネタバレなしでザックリ概要を書くとすれば、本作はチェンソーマンで時代を席巻した藤本タツキ先生のジャンプ漫画のアニメ化であり、バクマンのような「マンガ家」を題材にした作品だ。強いて言えば、バクマンは男性2人であったのが女性2人になっていて、バクマンのような長編ではなく、劇場版一作でキレイに終わるショートストーリー。
※原作は読んでないので、もし大きな改変があったとしても僕にはわからない

見始めてほどなく、主人公藤本のキャラが鼻につく。これはさっき僕が書いた「鼻」とは全く違う意味で、

 高慢ちきでビッグマウス、僕が相当嫌いなタイプのキャラクターだ。

もし前評判を耳にしてなかったら、

 絶対に数分飛ばしてた。

僕は口だけのお調子者が、「スゲェ嫌い」なのだ。

そして、作画に関しては、「めちゃくちゃ上手い。でも既視感があるのはなぜなんだろ」と思う。しばらく見ていてこれが、

 江口寿史先生の系譜であることを感じる。

「パクり」とか「マネ」と言うつもりはないけど、抑揚の薄いベタベースの着色と、リアリティのあるデザインの中にセンスを感じる方向性もまた、氏のそれに近い。チェンソーマンではそう感じなかったことを鑑みると、本作の原画や監督の影響が大きいのかも知れない。

ダイナミックにアングルを変えるカットや、一瞬雑に見える劇中漫画の演出、それでいて、止め絵を多用した聞き心地の良いBGMで見せる展開は、明らかに今風。精緻なロボットアニメではない、最新のアニメという感じ。

実際57分という短い尺なのに、かなり引っ張るカットもいくつかあって、「これはこちらに何を問うているのか」とマジメに向き合ってしまったりもした。

・・・

オススメ出来るか、と言われたら、僕は正直言葉に詰まる。本作は「面白い映画」でも「楽しい映画」でもなかったし、かといって胸が詰まるほど切ないとも僕は思わなかった。娘が言った「良かった」という形容が、もっとも本作を褒める言葉として適切に思えた。

 ただ、その良さの方向性は、正直僕の好みとはすれ違う。

絵も音も良いと思いつつ、見る前に感じた「何か地雷がありそう」という「僕の鼻」は、まんまと的中していた。

 ネタバレというより、僕の個人的な印象という感じだけど、、、

 空気の重さが、僕には居心地が悪かった。

人によってはこういう空気感こそ大好物という人もいるだろうし、それこそが本作を傑作たらしめる最大の要因とも思う。

 見て損したとは思わないが、見なくても良かったかも

と思うような、そんな映画だった。

見ていて、自分好みの面白い映画というのは、とかく「残り時間が少しでも長ければいい」と思うものだと僕は思う。しかし、本作は、中盤で進捗バーを表示し、

 まだ半分も残ってるのか、、、

と軽く意気消沈した。つまり、「早く終わって欲しい」と思いながら見ていた。

57分という短尺に無駄はなく、無駄がないことは大きく評価する一方で、とても濃く、密度が高い空気感は、同時に息苦しさも感じさせた。

 好みか否かで言えば、間違いなく僕の好みじゃない映画だった。

なので、、、

もしこれをオススメするとしたら、、、

 青春の重さと軽さ、マンガ家を題材にしたアニメが好きな人

なら、間違いなく刺さると思う。僕は「軽さ」は嫌いじゃないけど、「重さ」は苦手なのだ。

・・・

最後に少しだけネタバレに触れる。前項で興味が沸いたなら、見てもいいと思うし、僕の感想を読んで「オレもそう言うの苦手」という人は、そういうつもりで見ればきっと裏切られない。

変な言い方だけど、僕にとっても「思った通りだった」とも言えるからだ。

見る前から感じていた「気配」通り、「良いけど好きじゃない」。もう一度見たいとは思わない。そんな映画。

・・・

ネタバレ。

途中で少しSF展開が混じるのは、今作が「君の名は」の後発であることを感じさせた。日常の中にこっそりSFを混ぜて、世界観を厚くしつつ、視聴者の視点をはぐらかすテクニック。そう言う意味でも、今作が最近の作品であることを感じさせた。

最後エンドロールの曲が非常に穏やかで、ある意味「僕たちの失敗」を思い出させた。正直、終盤のSF展開は「混乱させるだけさせた」感じはしたけど、

 たぶんほとんどの人は、そんなに混乱せずに、「if」の世界として受け入れたんだろうな、と思った。

僕はそう言う時に頭を切り換えられずにずっと断片的な情報を引きずってしまうのだよな。

クリス評価は★★☆。良い作品だとは思うけど、好きになれない分評価は低めとなってしまうな。

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