アニソンのこと
思ったので書く話。
最近友達からのラインで、
岡田斗司夫曰く、アニソンの定義とは「その作品だけでしか通用しなくて、なおかつすごくかっこいい」
と言っていたそうな。
スレッズでも、「アニソンがアニソンじゃなくなった境目はいつ?」というポストがあって、キャッツアイがそこなんじゃないかって意見が結構多かったり。
僕的には、明確にそのタイミングがある。
エルガイムの後期OPから、アニソンがアニソンに聞こえなくなった。
歌手で言えば、MIOと鮎川真弥が境目。というか、ぶっちゃけアニソンの明確な定義など必要もない。その人の年齢や環境でいくらでも変わるし、具体的にアニメのタイトルが含まれてなければダメってこともないだろう。例えば、
北斗の拳なんてどこにもケンシロウや北斗の拳という言葉は出てこないし、クリスタルキングが歌ってるからって歌謡曲って感じはあんましなかったと思う。誰が何を歌ってるかとかで区分けできるもんじゃない。
そのアニメだけでしか通用しないというのも、僕の中ではグレンラガンのしょこたんの歌は、そのアニメだけしか通用しないとも思わないし、ゴダイゴのTHE GALAXYEXPRESS 999
だって、特にアニメを意識しなきゃ聴けないわけでも、ましてやかっこわるいわけでもない。逆にタイガーマスクやゲゲゲの鬼太郎のエンディングとか、全然かっこよくはないけど、どう聴いてもアニソンだろって思うし。
スレッズの意見で興味深かったのは、「タイアップし始めてから」というのがあって、それはかなり納得出来ると思った。そのアニメのためだけに作られた曲じゃない、「アニメがついで」になってる曲は、正直僕の中のアニソンの定義からは外れる。具体的には、世間でいくら肯定されていても、
スラムダンクとか、YAWARAとか、ワンピースとかは、
かなりキツい。特にワンピースの主題歌にハウンドドッグが使われていた時なんかは、
え?ワンピースだったの!?
とかなり驚いたもんだ。
ただ、別にタイアップしちゃダメってわけじゃもちろんない。あくまで「アニソンであるか」というところで、違和感が残るのだ。
そう言う意味では、ディズニーの歌なんかは、「ガチのガチでアニソン」という感じがする。曲中に「アナ」とか「エルサ」って言葉は無くても、アナ雪の歌は、誰もがアニソンと認める「らしさ」があった気がする。昔ながらのメロディではなくても。
別に英語のバイファムのOPだって、100%アニソンだと思うし、こないだからハマってるグリッドマンのユニバースや、ユニオンもめちゃアニソンだと思う。僕の思うアニソンの定義は、
その歌から、まず最初に作品(アニメ)が浮かぶ歌
それがアニソンだと思う。だから、スラムダンクだろうとワンピースだろうと、それをジャストミートでリアタイ視聴していた人には、間違いなくアニソンで問題ないし、
聞く人によって変わるのがアニソンの定義
というのも、合わせて書いておきたい。ズルいかも知れないけど、そう思うんだからしょうがない。
つい最近のジークアクスも然り。僕にはアニソンっぽくないと思えても、聞く人によっては全然ピッタリ最高!と言う感想になるのだ。
で、、それはそれとして、、
アニソンの地位が昔を思うと随分向上したなぁと思う。
昔は、子供の見てる、言ってしまえば「子供だまし」の歌というカテゴライズだったのに、今は、
ともすればアニメソングが普通のJPOPをアベレージで超えているとすら言えるのではないか。
民謡が、昭和歌謡とかになり、歌謡曲とフォーク、フォークからニューミュージック、バンドブームを経て、JPOPとして今に至る過程の中で、
アニメソングが王道だった時代はない。
でもだがしかし、今日もふと水木一郎兄貴の歌を聴いていて、
ここまで聞き次がれていく歌は、他にどれほどあるのか
アニソンだからダメだった時代。水木一郎、ささきいさお、堀江美都子、子門真人、大杉久美子の黎明期。なぜ彼らの歌ばかりだったのか。それは決して彼らの実力が際だっていたからじゃないはずだ。
アニソンを歌いたがらなかったからじゃないのか。
たいらいさおやMIOの時代から、一度はJPOPタイアップ時代を経て、最近は最早、アニメに使われている前提、アニメの内容がしっかり歌にフィードバックされている、「純然たるアニソン」がかなりの支持を集め、人気を勝ち得ている。
今アニソンが歌いたくないという歌手は、それほど多くないはずだ。
事実、アニソンのヒットはカラオケでも需要がある、、と思うし、短くても3ヶ月程度、12話がみんなの耳に届きやすいビジネスモデルというのは、すり込みの観点からも強力な武器だと思うし、昨今のアニメブームには、スポンサーの意向があまり重要視されない構造になっていると思う。
クローバーがメインスポンサーだからガンダムをトリコロールカラーにする
何てことはない。DVDやブルーレイが売れるからとか、配信サービスに権利を買って貰うとか、アニソンが売れる背景にはそのクオリティアップも絶対に無関係じゃない。推しの子の「アイドル」なんて、
あのアニメの主題歌以外の何物でもないのに、JPOPでもあり、歌からアニメをイメージさせるし、タイアップする必要が一切無い。
アニメは今、日本だけじゃなく世界をも席巻した「一大音楽ジャンル」になりつつある。
だから逆に、水木一郎兄貴や串田アキラ翁、影山ヒロノブパイセンも、みんなアニソン以外に手を出さない。
せっかくアニソンが歌える立場にあるのに、他に手を出す旨みも魅力もないからだと思う。
最早、アニソンが「子供だまし」だった時代とは真逆の時代になった。ずっと聴き続けられていく、スタンダードナンバー。永遠の名曲。使い捨てじゃなく、タイアップでもない。そのアニメが忘れられても、歌だけは生き残る。
実際昔のアニメとか、話全く覚えてないけどアニソンは歌える作品の何と多いことか。
でも、歌を聴けばその映像が浮かぶ。それこそがアニソンだ。
999を聴けば、反射的にメーテルとのキスシーンが浮かぶし、
めぐりあいを聴けば、ポッドに向かって涙ぐむアムロが浮かぶ。
キャッツアイを聴けばレオタード姿の美女3人が浮かぶし、
エヴァを聴けば暴走したエヴァや、アスカが思い浮かんでしまう。
アニメじゃないけど、牙狼も戦隊ヒーローもきっとそうだと思う。そして、ずっとその存在は生き続ける。
僕は思うのだけど、
アニソンはもう「懐メロではなくなる」。
ずっと聞き続けられていけば、懐かしがることはない。
・・・
そんな中、僕の中で特に違和感というか、不思議な立ち位置になっているのが、
みゆき「想い出がいっぱい」だ。
これは、アニソンであるかと言われたら間違いなくアニソンであるのだけど、
アニメが終わったあと、原作マンガの最終話でその歌詞が使われた。
アニメソングではあるのだけど、マンガでも使われている「イメージソング」の側面も凄く強い。
想い出がいっぱいを聴くと、思い浮かぶのはアニメのみゆきじゃない。
大好きだけど!
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