ババ抜き
テレビでやってた最弱王。
いやはや傑作であった!
まずこの番組を成功させよう、成立させようという気概が凄い。ギャラが高い出演者が多いということは、それだけ数字を取らなければならないプレッシャーが大きいわけで、ある意味「最強の布陣とは何か」を感じさせる内容だった。
番組は、前半鉄オタ芸能人の撮り鉄ぶりをアピールするような企画で、
まぁクソだったわ。
なんつか、まとめて録画させようという魂胆なのか、はたまた後半のババ抜きのギャラが高すぎて、その負担を軽減しなければならない苦肉の策だったのか。
ともかく、僕が話題にしたいのはババ抜きの話だ。
※今回の番組に限らず
ババ抜きをしたことがないという人はそれほど多くないと思うが、ババ抜きというのはトランプの中でも相当にドラマティックかつシンプルで、僕が思うに非常に完成度の高いエンタメだと思う。
たぶん最弱王が世に出る前から僕はババ抜きを楽しんでいたし、以前このブログでも「こうやって遊べ!」という話を力説したこともあったと思う。てかそんなに前の話でもないはずだ。
ババ抜きは、大富豪とかと比べて特に地方ルールが多いゲームではない。ジョーカー1枚を含むトランプを、参加人数分、均等、もしくはほぼ均等になるように配り、手札に同じ数字があれば、ペアにして場に捨てる。一通り捨てきったら、ジャンケンもしくは最もカードが多い人が、その隣(番組では左隣)の人に1枚引かれ、また引いた人が次の左隣の人にまた引かれていき、その都度ペアが出来たら場に札を捨て、最後にババを持っていた人が負け、というもの。
今更説明したのは、あくまでこれが外骨格であり、ここから肉付けしていくから。
番組オリジナルルールとしては、
他のプレイヤーに見えないところにシャッフルボタンがあり、ジョーカーを持っている人はこれを1度だけ起動して、サイコロを回すことが出来る。サイコロの出目は、「左へ1つずつ手札を交換」「左へ2つ交換」「右へ1つ交換」「右へ2つ交換」「交換なし」があり、つまりは、ジョーカーを持っていても、一度だけ「回避出来る可能性がある」わけだ。
番組のババ抜きには、「引いた人が次必ず引かれる」というルールがあるので、例えば、自分がジョーカーを含め3枚、他のプレイヤーが3枚、3枚、1枚という4人と言う状況で、カードを引いた後シャッフルボタンを押し、運良く1枚になれたら、すぐさまそのカードは次の人に引かれることとなり、手札をゼロにして「抜け」となる。
また、最後2人になってしまってからは、シャッフルボタンを押すことが出来ない。
細かなところでは、当然全員の手札はカメラが見ているので、ズルも出来ないし、「揃ってるカードがあるのに捨てない場合は、教えて貰える」みたいなことがある。また、このプレイしている場所とは別で、番組を進行するギャラリーのスペースがあるが、こちらの音声はプレイヤーには伝わらない。まぁ当然か。
・・・
今回のキャストは、木村拓哉、橋本環奈を筆頭に、非常に豪華。ミスター最弱王相葉とえなりがジョーカーにプリントされており、市川團十郎とその娘の親子対決や、伊藤英明、バカリズム、劇団ひとり、前回最弱王のバスケプレイヤー渡辺ゆうた、あと誰が居たっけな、、。まぁ美男美女のオンパレード。
特に素晴らしいと思ったのは、進行MCのザキヤマ。彼が居るだけで、小さな笑いを拾い損ねることも、大きくすることも出来る。彼のギャラは相当高くて然るべきだろうと思ったし、それに見合う仕事もしてた。
僕が普段しているババ抜きのルールと、見ていて「芸能人たちがやるババ抜き」のルールは、基本的には同じモノなのだけど、
さすがは木村拓哉、短時間でこの「芸能人ババ抜きの撮れ高」を把握して動いてた。
他の人がババ抜きをやっているのを見て何が楽しいのか、そんなことを思う人がいるかも知れないが、この番組のポイントはまさにそこで、
「何をしているところが楽しいのか」を把握し、実践する、させることが非常に重要になる。
なので、例えば、、、
手札を2枚重ねて「上か下か」と選ばせるのは、ぶっちゃけ悪手である。
この場合、存在するのはただ運だけで、そこにドラマはほとんどない。だって運だもの。
2枚の手札はカメラに映るようにして、相手がどちらを選ぼうとしているのか、取られる側の表情を映すことがまず重要であるし、さらに取る側も、「ジョーカーを取りそうで取らない、取らなそうで取ってしまう」という演出が重要になる。
最終的に木村が最弱王になってしまったが、彼は最後までエンターテイナーであったし、残念だったのは、
このババ抜きのルールに、僕が普段遊んでいる最も重要なルールが無いこと
だ。
それは、
ラスト2人になったら、順番はどうあれ、「必ず多い方が少ない方に引かれる」
というものだ。
ババ抜きで最も盛り上がるのはいつか。それは間違いなく最後の二人の読み合いであり引き合いだ。そこを見せずに何を見せるんだよ、と思うし、つまり番組は、
その最後の一戦が最も盛り上がるような仕組み、ルール作りを練らなければならない。
なのに今回は、なし崩しにカードが回って、「もっともショボイ終わり方」になってしまった。
それまで盛り上がっていただけにガッカリ極まりない。
木村も、、、絶対ではないけど、彼の中で「最後に抜けるのが一番かっこいい」ことは理解していたはずで、番組的にもそこを大きく期待していた。これはもう間違いない。でも、このルールでは、こうした「つまんない終わり」が起きてしまう。
反省してくれよ、とすら思う。
一方、進行中最も輝いたと言っていいのは、市川團十郎。彼の読みは的確すぎるくらい的確で、見事なまでに誰がジョーカーを持っているとか、場の流れを支配しつつ、
愛娘からジョーカーを引く流れもめちゃ素晴らしい!
「ふたりで勝つには僕が引かなきゃね」と言って引くパパ。また、芸能界では決して新人でも下っ端でもない伊藤英明や相葉雅紀が、
ヒデとか、英明と呼び捨てにされ、木村から引いてペアになって謝ったりする
これもとても愉快。普段ここまで上下関係の明らかになる芸能人が席を並べることも多くはないのかな、と思いつつ、
後輩である伊藤英明の笑顔がまた可愛いのだ!
最後だけ改善してくれたら、この番組はまだまだ行けると思った。
・・・で、
ババ抜き自体の話になっていくのだけど、
手札5枚の中で、最も引かれ安い場所はどこか。
ズバリ一番左である。
そして、この順序で回す場合、「最も手札に加えられやすい場所」はどこか。
ズバリ一番右である。
右のプレイヤーから引いたカードを、無意識に一番右に加えるプレイヤーが多く、確率的には、そのカード、具体的には「隣から流れてきたカード」を狙い撃つのが「勝つための定石」のひとつとされる。
もちろん、相手がジョーカーを引いてしまったことがバレた場合は別よ?
突き詰めて言えば、「勝つためならば」、ジョーカーは初期手で一番左に置き、カードを引いた後はシャッフルして次のプレイヤーに引かせる、次のプレイヤーが引く場所に偏りがあるなら、それに準じてジョーカーを移動させる。
しかし、それはあくまで個人で「早抜けを狙う」場合である。
僕が提案するのは、保護者、もしくは参加者が、ささやかな金銭を参加費、もしくは賞金として提案し、
一抜けが100円、ラス抜けが300円
みたいなご褒美を作ることだ。そうすることで場の盛り上がりは激変する。
最初に抜けても賞金があるし、ラストまで残れば「ラストバトルを制した」という肩書きと、多額の賞金となる。プレイ中のモチベは、全員が高められるし、
ラストバトルは、是非「ギャラリーに見せた状態で」選んで戴きたい!
こっちと見せかけてこっち、、、と見せかけて、、、は、その場を盛り上げる常套手段だし、先に書いたような「勝率を上げるテク」は、「使うことで逆に中途半端なタイミングで抜けてしまう」かも知れない。そもそもが運のゲームであるのだけど、「それだけじゃない」と思わせるのが演出であり、仕掛け。
よく小さい子と遊ぶと、札を地面に並べてペアを探したり、角度によっては「見えちゃうよ!」という持ち方をすることもあるけど、今思えばそれこそが「楽しむ為の一助」であり、
お正月とかのトランプで最も求められるスキルのひとつだったとも思う。
ゲームとは、勝つために遊ぶものじゃない。それはスポーツ、競技、試合であり、ゲームは楽しむためのもの。楽しんだ者が勝者であり、
全員が勝者になれることが、つまりは「優勝」なのだ。


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